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映画レビュー

「007 ノー・タイム・トゥ・ダイ」〜007よ永遠なれ〜①前編

はじめましてヒルズです。
今⽇は10/1に公開された「007 ノー・タイム・トゥ・ダイ」の激アツレビュー回です。
(熱がこもりすぎたため、前後編でお伝えします。)
ネタバレなしなのでこれから観る人もご安心を。
そして観てきた人は是非この熱を分かち合いましょう。

「007 ノー・タイム・トゥ・ダイ」
日本公開日:2021/10/1
監督:キャリー・ジョージ・フクナガ
キャスト:ダニエル・クレイグ
 ラミ・マレック
レア・セドゥ

「007」シリーズの25作目。ダニエル・クレイグが5度目のジェームズ・ボンドに挑んだ最後の作品であり、今作で15年の歳月を得てクレイグ版が完結した形になる。コロナで公開延期を何度も繰り返し、ようやく公開された本作は、ファンにとってはたまらないものであった。

 

あらすじ

前作「007 スペクター」のボンドガールのマドレーヌと恋人関係になったボンドは、現役を退きイタリア・マテーラを訪れる。そこで「カジノロワイヤル」の際に亡くなった、本気で愛した女性、ヴェスパーの墓を訪れた直後、犯罪組織スペクターの残党の襲撃に遭ってしまう。それによりマドレーヌと別れる事を余儀なくされるボンドであった。
それから5年後、ボンドはジャマイカで一人穏やかな暮らしをしていたところ、旧友のCIAエージェントのフィリックスから仕事の依頼を持ち掛けられる。内容はスペクターに誘拐された細菌学者のヴォルド・ゴルバチョフを救い出して欲しいと言うものだった。
現役を復帰したボンドは、スペクターより恐ろしい謎の人物『サフィン』との過酷な闘いに身を投じていく事となる。5年前に別れたマドレーヌとサフィンには深い因縁があるとはボンドは知る由もなかった……。

本作の見どころ ①監督

コロナで公開延期を何度も繰り返した本作であるが、制作期間中も難航していた作品だ。当初はダニー・ボイル監督が就任していたが、脚本家との創造性の違いによって、両者離脱。ようやく抜擢されたのが、日系アメリカ人キャリー・ジョージ・フクナガ監督である。
このように監督にとってはプレッシャーの大きい作品であっただろうが、監督は彼にして正解か失敗かで言えば、大大大正解で間違いなかったと声を大にして言える。
シリーズを通して、人間味あふれるボンドの悲哀に満ちた男の描き方をより丁寧に描いており、日系ならではの、美術、画作りは後半シーンでより発揮されていたように思う。

本作の見どころ ②これまでの007シリーズと名優たち

本作はダニエル・クレイグ版の総決算たる作品である。クレイグ版の1作目「007 カジノロワイヤル」から15年。彼がボンドとして抜擢された当初、世界中から多くのブーイングと落胆の声が上がったのをよく覚えている。しかし、蓋を開けてみれば「カジノロワイヤル」は絶賛の嵐。そしてこの1作目でダニエル・クレイグはジェームズ・ボンドの名に於いて確固たる地位を築いたのだ。

前作「スペクター」では世界規模の犯罪組織スペクターとの直接対決が描かれた。この「スペクター」とは初期の007を良く知っている人なら熱狂したキーワードで、ショーン・コネリーからロジャー・ムーアが演じたボンドと何度も戦った犯罪組織の名なのだ。
その組織の首領、007史上最悪の敵としてブロフェルドが満を持して登場したのが前作「スペクター」なのだ。(過去作ではボンドとブロフェルドは役者を変え何度も対決している)
そのブロフェルドを演じるのが、「イングロリアス・バスターズ」の悪役ランダ大佐で高い評価を受けた俳優クリフト・ヴァルツである。今作でも少しではあったが、存在感ある演技で登場している。
そして今作では、スペクターまでもを脅かす謎の犯罪組織の首領『サフィン』と言う男が登場するのだ。サフィンを演じるのは、「ボヘミアン・ラプソディ」でフレディ・マーキュリー役で第72回英国アカデミー賞主演男優賞を受賞したラミ・マレック。
今作ではボンドの前に立ちはだかる強大な敵として描かれるが、前作らに出ていた悪役、英国の至宝マッツ・ミケルセン、サイコパスを演じたら一番のハビエル・バルデム、そしてオスカー俳優クリフト・ヴァルツ、彼らと比べられてしまうのが世の性だ。確かに悪役としての存在感は劣っているように見えるかもしれない。しかし、マレック演じるサフィンは感情の起伏がなく、淡々とした喋りに、その目の奥には凶器と冷酷さを確かに宿していた。ミステリアスでどこか妖艶な雰囲気を漂わせるサフィンをマレックは好演していた。
このサフィンという男、007シリーズでも上位に食い入る程の鬼畜の所業をしていたので、その行為に期待しておいてほしい。(勿論、胸糞案件であるが…)

(後編へ続く)

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