NDJC若手監督育成プロジェクトについて①
こんばんは さくらです。
昨日、弊舎舎長 前田茂司が関わっている文化庁委託事業「NDJC若手監督育成プロジェクト」の合評上映会がありました。
NDJCとは、次代を担う若手映画作家の発掘と育成を目的に、映像産業振興機構(VIPO)が文化庁から委託を受けて2006年度より運営する人材育成事業です。具体的には、若手映画作家を対象として、ワークショップや製作実地研修をとおして作家性を磨くために必要な知識や本格的な映像製作技術を継承することに加え、上映活動等の作品発表の場を設けることで、今後の活動の助力となるよう支援します。
(NDJC若手監督育成プロジェクト 公式サイトより)
20代の若手監督4名による短編映画4本をご紹介いたします。
本日は竹中貞人監督「少年と戦車」、団塚唯我監督「遠くへいきたいわ」の二本をご紹介!
「少年と戦車」 日本公開日:2022/2/2 監督:竹中貞人 キャスト:鈴木福 黒崎レイナ |
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「遠くへいきたいわ」 日本公開日:2022/2/2 監督:団塚唯我 キャスト:野内まる 河井青葉 |
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あらすじ
「少年と戦車」
窮屈な日常やイジメに悩む中学生の田崎は時々言葉を交わす少女、咲良に想いを馳せることが唯一の楽しみだった。湖に戦車が沈んでいるという情報を知った田崎は捜索へと出るが、そんな彼を待ち受けていたのは自分自身の思春期と向き合う壮大な精神の旅だった。
「遠くへいきたいわ」
アルバイト先へ面接にやってきた竹内(39)を見て動揺を隠せない紗良(21)。竹内の勤務初日、開店準備を終えたふたりはオープンを待つばかりだったが・・・。互いに亡くしてしまった母/娘の面影を見出し合うふたりは、束の間の逃避行に何を求めるのか。
「少年と戦車」見どころ
どこかノスタルジックな雰囲気の漂う美しい映像と滑稽な少年の姿にグッと情感を掴まれる。何と言っても主演を務めた鈴木福くんの情けない中学生 田崎役が非常に巧みだ。学生の青春映画でありながら、(脇役含め)美男美女でまとめられた作品ではないところにまず目を引くものがある。
じっとりとしたテーマを明るく爽やかに描いており、特にラストシーンは非常に鮮やかな可笑しさが残る、非常に印象的な映画だ。笑いあり、涙ありの青春活劇映画であり、楽しくも強く感情を揺さぶられた。
「遠くへいきたいわ」見どころ
母と娘、互いに埋められないものを求め合う二人が詩のように美しく綴られている映画。違和感を含め、非常に丁寧に言葉が描かれているのを感じた。常にどこか自分に語りかけている独白のようなセリフまわしは、二人の求めるものが決して噛み合わない寂しさや、そのありのままを提示しているように感じられる。
印象的な演出は多数あるが、やはりこちらもラストに全てが詰まっているのではないだろうか。画面を通じて空気の冷たさや透明度まで感じられるような、鮮やかな清々しさと一抹の寂しさの残る美しいラストシーンとなっている。
おわりに
期間限定で全国ロードショーされるので、皆様もぜひ劇場へ!
[上映日程]
東京:2/25〜3/3
大阪:3/4〜3/10
名古屋:3/18〜24