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映画レビュー

ジュラシック・ワールド 炎の王国

三度の飯より魚竜好き!さくらです

先週金曜日に公開され早くも大反響となっている「ジュラシック・ワールド/新たなる支配者」の公開を祝しまして、「ジュラシック・ワールド」シリーズを振り返る特集!をしようと思います!
本日はシリーズ2作目!「ジュラシック・ワールド 炎の帝国」をレビュー!
前作までを見返して、今週末は劇場へGO!しましょ〜!

「ジュラシック・ワールド 炎の帝国」
日本公開日:2018/7/13
監督:フアン・アントニオ・バヨナ
キャスト:クリス・プラット
ブライス・ダラス・ハッワード

あらすじ

「ジュラシック・ワールド」が再び閉鎖されて3年。島は火山活動が危険視されていた。
上院特別委員会は島を自然に任せて恐竜たちを見殺しにすることを選んだが、クレア、オーウェンらは恐竜を秘密裏に救い出そうと奔走。
しかし島には別の目的で恐竜を連れ出そうとする人間もいて・・・?

見どころ① 恐竜と人間 あるべき姿とは?

さくらは学生時代、言語学を嗜んでいたことがあります。その時、消滅危機言語について、ある学生がこんなことを言いました。「言語学者は言語の自然界での栄枯盛衰を研究しようとするくせに、消滅危機言語を守ろうともするのって矛盾していませんか?」と。
この映画は、そんなことを思い出します。とはいえジュラシックワールドの恐竜たちは自然発生なわけではなく、人間が自分たちの意思で目覚めさせたものなんですから、勝手に自然に返したことにせず、やっぱりしっかり命に責任を持って欲しいですけどね。なんというか、おなじことを繰り返すのもいい加減にしなさいとそろそろ感じてしまいますが、それはそれとしておいておきましょう。なんせこれは映画ですから。
旧作シリーズではあまり描かれることのなかった「人と恐竜のあるべき関係」が色濃く描かれているのが「ジュラシック・ワールド」の特性です。特にラプトルのブルーとオーウェンの関係は前作に引き続き非常に熱く描かれていますが、それだけではありません。様々な形で「恐竜」に対する人間の選択が描かれています。畏怖の対象ではなく、エンタメとしての消費物でもなく、人間という主体がどうやって生き物である恐竜と向き合い、生きていくのか。新たな問いが投げかけられます。

と、ネタバレにならずに書くのが大変なんですが、傷ついた恐竜のケア、そして島脱出後のあの展開、目的と大惨事、全てがデジャビュを感じますよね。そう、「ジュラシック・パークⅡ ロストワールド」です。同じことをなんども繰り返してしまう人間の愚かさたるや・・・。ジュラシック・パークシリーズが大好きな身からすると、ついにやにやしてしまいます。

本作におけるさくらのベストラブシーンは炎に包まれる陸からこちらを見つめるブラキオサウルスです。(さくらは好きな恐竜=大きな恐竜だったので、ブラキオ最推しでした。もっとでかい魚竜に出会って以来、最推しは恐竜から魚竜に移行しました。)
人が守れる手の小ささ、虚しさ、生命への責任感、様々なものに胸が苦しくなる名シーンですね。草食でこれまで「雄大な美しく人間にとって無害な恐竜」の象徴としてジュラシック・パークの時から描かれ続けてきたブラキオがここで別れを告げることの意義に、思わず劇場では涙が溢れました。

見どころ② ニッチな恐竜が参戦!

これまでのジュラシック・パークシリーズでも毒液を吐いてくる巨大エリマキトカゲのような身に覚えのない恐竜は出てきましたが、今作はその比じゃないほどマニアックな恐竜のオンパレード!一作目の「みんなお馴染みのアイドル恐竜たち」から突然方向転換!こんな恐竜がいたのか!という新たなエンタメ要素がかなり加わりました。
これには、徐々に対恐竜パニック映画へと堕ちていったジュラシック・パークシリーズに対して、改めて「恐竜」そのものの生き物としての魅力に触れることのできる映画がかえってきた!という感動がありました。
人生にジュラシック・パークがあったからこんなに恐竜が好きになれたさくらとしては、今の子供たちも「ジュラシック・ワールド 炎の帝国」に出会えたことで恐竜に目覚めているんじゃないかとほっこりしております。
どこまで言ったらネタバレになってしまうのかが怖くていえませんが、ラスト、続編への盛り上がりのくだりはなかなか見ごたえ抜群ですね。「ジュラシック・パーク2」の大都会の夜景を前にした巨大なティラノサウルスのあの超名カットが脳裏をよぎりまくります。
さて、シリーズ第三弾、ラストはどう締めくくられるのか?!
もう、予告があまりにも、「ジュラシック・パーク」からの総決算ということが伝わりすぎて・・・キャストさんも恐竜も・・・予告だけで「これでついに終わっちゃうんだ」という悲しみで泣きそうになっちゃいました。ワクワク、そしてハラハラです。

おわりに

今作は一作目から監督が変わった!と驚いたのですが、三作目でまた監督が一作目のトレボロウ監督に戻られるんですね。(「炎の帝国」でも脚本にはお名前が上がっていますが。)
炎の帝国は多少分かり易すぎるはちゃめちゃな展開だなと感じましたが、とても楽しい映画だったので、監督の前作「怪物はささやく」も視聴しました。
「ジュラシック・ワールド」との関連は特にないのですが、こどもが大人と一緒に夢中になれるちょっとホラーなエンターテイメントを撮るのが非常に上手な監督なのかもしれません。
「怪物はささやく」もとても心に残る美しい映画なので、皆さん是非観てください!

余談ですが、「ジュラシック・パーク」を含む数々のスピルバーグ作品を始めとして「ハリー・ポッター」シリーズなど、数多くの映画音楽を手がけた巨匠ジョン・ウィリアムズさんが「インディ・ジョーンズ5」を最後に引退をほのめかしているというwebニュースがまことしやかに流れてきて、しょげしょげのさくらです。
ちなみに、「ジュラシック・ワールド」のシリーズはジョン・ウィリアムズ氏ではなく、マイケル・ジアッキーノ氏という方が手がけられています。
なんとディズニー/ピクサー映画の作品の映画音楽を数多く手がけられている方で、さくらもびっくりです。このブログでご紹介したスパイダーマンのホームシリーズやザ・バットマンの音楽も手がけられているとか!ジュラシック・ワールドシリーズは音楽にも注目ですね!