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映画レビュー

キャット・ウーマン〜タフな女のしなやかさ!気ままなヒーロー?〜

今日は「ザ・バットマン」公開記念と称してバットマン以外のゴッサムメンバーの映画をご紹介します。

「ザ・バットマン」にも登場するチャーミングなヒーロー(?)「キャットウーーマン」(2004)をレビューします!

「キャットウーマン」(2004)
日本公開日:2004/11/3
監督:ピトフ
キャスト:ハル・ベリー
シャロン・ストーン

あらすじ

ペイシェンス・フィリップス(ハル・ベリー)は、自己主張のできない内気な広告デザイナー。高慢な社長とイメージモデルも務める社長夫人ローレル・ヘデア(シャロン・ストーン)が実権を握る巨大化粧品会社ヘデア社に勤めている。仕事ではせっかくの豊かな芸術的才能を浪費し、家に戻れば夜中まで騒々しい音をたててパーティを開いている隣人に苦情すら言えない、うだつのあがらない女性だった。そんなある日、ペイシェンスは間もなく発売になる若返りクリーム、”ビューリン”の広告デザインを届けにヘデア社の工場まで足を運ぶ。しかし、そこで彼女が目にしたものは、その”ビューリン”がもたらす恐ろしい副作用だった。しかもヘデア社はその事実を知りながらも発売を強行しようとしていたのだ。陰謀を知ってしまったペイシェンスは、何者かに追われ命を落としてしまう。しかし死は終わりを意味していなかった。命を落としたその瞬間、ペイシェンスの中に<何か>が生まれた。それは”キャットウーマン”としての新しい命だった。その日を境に、ペイシェンスの中に潜んでいた野生が徐々に開花していく。やがて欲望のままに行動し、夜の街を飛び回るキャットウーマンの存在は、トム・ローン刑事(ベンジャミン・ブラット)の関心をひくことになる。さらにそのミステリアスで不可解な行動を悪用しようと企む何者かによって、キャットウーマンはあらぬ殺人の罪を着せられてしまうことになるのだった・・・・・。

WB公式より)

 

 

見どころ ①主演キャスト

ハル・ベリーといえばmarvelの「X-MEN」シリーズでおなじみストーム姉さんの印象が強く、大好きな女優さんですが、まさかそんな方がDCで主演キャストになるなんて!夢のようです。
美しくかわいいキャットですが、本作でもキャットとして覚醒するまでは気弱な冴えない女の子。それだけにキャットとして覚醒してからの彼女の変化は見事です。アクションシーンも多く、しなやかなアクションは「キャット」らしさが溢れていて非常に見応えがあります。
気弱な会社員、勇敢なキャット、恋する少女、挑発する美女・・・ハル・ベリーの様々な顔が詰まっている非常にお得な映画です。
それにしても本作のキャットの衣装は歴代キャットたちに比べてもセクシーさが際立っている気がしますね。どうしてもフルボンテージの印象が強かったキャットですが、今作の衣装は今日までの最新のキャットを鑑みてもやはり抜群に露出度が高いように思います。今回のキャットはデザイナーという職業だけに、ファッション意識も高いのでしょう。ハル・ベリーのスタイルのあまりの良さにうっとりしてしまうこと間違いなし!
しかしなんと、本作で彼女はラジー賞を受賞!そんなずっこけも含めて愛しい作品です。

本作の見どころ ②シャロン・ストーン

今作はいわゆる”女VS女“の映画。スケールはバットマンと比べるとかなり小さくなっているという意見も聞きますが、この若返りクリームの設定が出てきたときは「バットマン」(1989)のジョーカーの歯磨き粉に通じるものがあるなと感じました。意図は全く別ですが、やはりGOTHAMの世界は通じているなと。工場で逃げ惑うシーンも、化学工場で追われるジョーカー(同作)が少し過ぎります。GOTHAMにとって、「化学」は街の発展と公害、光と陰の両極を表す存在であり、特に「陰」に生きるヴィランにとっては特別な存在なのかもしれません。話が逸れた上にキャットをヴィラン扱いしてしまいましたね。失礼しました。本作のキャットは手放しにヒーローです。が、ヒーローでもヴィランでもなくただ「自分」の気まぐれを貫くキャットというのが彼女を扱う上では何より大事なアイデンティティだと感じています。話を戻します。とにかく本作は敵もいわゆる「一般人」。それもとっても魅力的な女性です。
キャットとは様々な面で対照的な設定がされているローレル・ヘデア。悪女っぷりがお見事です。コミカルさを残しながらも、本気すぎて本当に怖い。本作で女VS女の構図が最終的に設定されたのはいわゆる「キャットファイト」という言葉への掛詞的側面もあったと思うのですが、そんなレベルではない本気の殺し合いが観れるのでお楽しみ!

 

おわりに

他と比べるとあまり人気のない本作ではありますが、キャットのイメージはやはり鮮烈ですね。「キャットウーマン」というと実写ではミシェル・ファイファーが真っ先に出てきてしまいますが、コミックスでは黒髪のキリッとしたハンサムな女性のイメージがありますし、このハル・ベリーのビジュアルイメージはまさに美しい黒猫の実写化という印象を受け、とっても印象深いです。
今回新たに「キャット」を演じたゾーイ・クラヴィッツさん。果たしてどんな「キャット」に出会えるのか、楽しみです!