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映画レビュー

ウエストサイドストーリー〜時代を超えた名作〜

今日は先週公開された映画「ウエスト・サイド・ストーリー」のレビューをお届けします。
幾度となく公開延期になり、年末はこれで締めようと思っていたところを2ヶ月も待たされましたが、ようやく観ることができました。

「ウエスト・サイド・ストーリー」(2022)
日本公開日:2022/2/11
監督:スティーブン・スピルバーグ
キャスト:アンセル・エルゴート
レイチェル・ゼグラー

1962年公開「ウエスト・サイド・ストーリー」のリメイク版。
1962年公開の「ウエスト・サイド・ストーリー」はアカデミー賞にて作品賞、監督賞、ミュージカル映画音楽賞、助演女優賞、助演男優賞、編集賞、美術賞、撮影賞、録音賞、衣裳デザイン賞、脚色賞を受賞。さらに鮮烈なダンスで映画史に残る一つの歴史を切り開いた。

本作も現在(2022/2/18)作品賞、助演女優賞、監督賞、撮影賞、美術賞、衣裳デザイン賞、音響賞の7部門にノミネートされている。

あらすじ

夢や成功を求め、多くの移民たちが暮らすニューヨークのウエスト・サイド。 だが、貧困や差別に不満を募らせた若者たちは同胞の仲間と結束し、各チームの対立は激化していった。 ある日、プエルトリコ系移民で構成された“シャークス”のリーダーを兄に持つマリアは、対立するヨーロッパ系移民“ジェッツ”の元リーダーのトニーと出会い、一瞬で惹かれあう。この禁断の愛が、多くの人々の運命を変えていくことも知らずに…。
20世紀スタジオ公式より)

 

 

見どころ ①キャスト

何と言ってもまずマリア役を演じた3万人の中からオーディションで発掘された期待の新星レイチェル・ゼグラー
どことなく垢抜けきらない素朴な少女の面影を残しつつも、あどけない顔立ちにはまさに「初恋の人」の面影がある。実はものすごい美人だが、それに気づいているのは僕/私だけ__という空想を思わせる雰囲気の、なんとも絶妙な「初恋顔」だとさくらは感じている。もちろん、彼女の美貌には「誰もが」気づいているわけだが。誰がどう見ても美しいといった世間一般王道のど真ん中をいく絶世の美女のようなヒロインとは、やや外れたキャスティングがスピルバーグの作品にはつきもののように感じているのだが、気のせいだろうか。ともあれ、本作ではとにかく彼女がひときわ目を引く。もどかしさを募らせる愛らしい演技切なげな顔の光り輝くまでの美しさ、そして何と言っても「歌唱力の高さ」!単に歌がうまいわけではない、その表現力、抑え込めない想いが思わず旋律に乗ってしまう!といった歌い方に、強く感情を揺さぶられる。彼女がヒロインを演じたおかげで、マリアのあどけない無邪気さ、その天真爛漫さに惹かれ、彼女の引き起こす奔放な行動も応援することができた。誰もが心を惹かれる、そして心から応援し祝福したくなる、そんなヒロインになっているのではないだろうか。
次回作「Snow White」も楽しみで仕方ない!

一方で、主演のアンセル・エルゴートの疑惑について、スピルバーグが口を閉ざしてしまったのは非常に残念だ。
 

本作の見どころ ②衣裳

今年度アカデミー賞衣裳部門にもノミネートされている本作。衣裳がとっても可愛い!クラシックでありながら、決して古さを感じない。形も彩りも鮮やかで華やかで大変にキュートだ。
を基調とした「シャークス」の色彩、を基調とした「ジェッツ」の色彩、二つがぶつかる瞬間の高揚感!色彩を非常に巧みに用いているのを感じた。そしてその真骨頂がそう、もちろんあの”ダンスシーン“だ。
体育館でダンスパーティーというと、さくらは安直なのでまず真っ先に「バック・トゥ・ザ・フューチャー1」が思い出されてしまう。あちらはスピルバーグはあくまで製作総指揮という立場だが、2における「ジョーズ」のネタや「グレムリン」と同じ広場がロケ地に使われるなど、ファンはクスッとなってしまうところがいくつもある。さておき、「BTTF1」の例のシーンは1955年が舞台、そして「ウエストサイドストーリー」のブロードウェイミュージカル公開が1957年。映画は1961年公開だ。(当時は最新のファッション、最新のダンスに誰もが憧れたという。)近い作品で他にさくらの脳裏に浮かんだのは「アメリカン・グラフィティ」だ。こちらも1962年が舞台になっている。う〜ん、この時代の体育館ダンスパーティーに行きたい!!とまあ名作映画ばかりをみていると軽率な思考に陥るのだが、「ウエスト・サイド・ストーリー」のダンスパーティーはそんなことを軽率には言えないほどの一触即発な雰囲気。このシーンがとにかく熱いので必見だ!ほんっとうにみんなのドレスが可愛い!!そしてぶつかり合うのがかっこいいベルナルドのスーツが色っぽい!そして何色にも染まらぬマリアの純白その腰に一筋の赤!な、なんてロマンティックな演出でしょう。とにかくあのダンスシーンは、こんなにも素晴らしい映画を観られるなんて、自分はきっと特別な子に違いないというウェルタ○ズオリジナルの広告文まがいが脳裏を過ぎるほどに最高でした。
とはいえ、さくらの一押しはアニータです。アニータの服が中盤まではどのシーンもとにかくとってもかわいいので、必見です。

 

おわりに

なんだかまとまりのないレビューになってしまい申し訳無いです。

さくらは、世界中の多くの子供がそうだったように、スピルバーグに育てられました。ジョーズ、ジュラシックパーク、グーニーズ、E.T.、A.I.、未知との遭遇、宇宙戦争を見て育ちました。
子供の頃私に特別な世界を見せ、とびきり楽しませてくれたスピルバーグが、私が大人になった今、なお、私をとびきり楽しませてくれようとしてくれること、そしてそれがやはり特別楽しく、自分を特別だと錯覚できるような映画であること。そんなことに感動して、思わず感涙してしまいました。一生スピルバーグについていきます。