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イベントレポ

こども映画学校2022 @茨城県 稲敷市 レポ④

さくらです!
9月17日(土)から19日(月)の3日間、茨城県稲敷市にて「こども映画学校」が開催されました!
「こども映画学校」は、楽映舎の活動の1つとして2012 年から開催されている3日間の映画制作ワークショップです。(こどもフイルムの活動についてはこちらの記事でまとめています。)
本日はこのこども映画学校2022@稲敷市の最終日の模様をレポにてお伝えいたします!


こども映画学校(2022/9/19)

@茨城県 稲敷市

こども映画学校 3日目 編集・発表

8:00 撮影・編集・ポスター制作
こども映画学校3日目は編集とポスター制作から始まります!
2日目までお借りしていた江戸崎中央公民館を離れ、3日目の会場はA班の撮影地にもなっていた大杉神社へ!

まずは監督が編集を確認する横で、こども達は宣伝用のポスターを制作します。
ポスターを描く模造紙が無いという珍事件も起こりましたが、どうにか無事最終日が始まりました。

A班、B班は初めて監督が編集をチェックします。
なんとA班にはスーパー小学生がいました。
編集が大得意な少年が編集の助っ人に!
素晴らしい活躍でどんどん完成に近づいていきます!

B班はまず、ポスター制作の前にタイトルを決めます!
(ちなみにこの時点で決まっていたのは実はC班のみ!C班は初日ロケハン後にみんなで決めていたのです。)
テーマとストーリー、そこから導き出されるタイトルはいかに?!

順調に撮影の終わっていたC班でしたが、一部音声の聞こえにくいシーンが。
急遽アフレコが始まりました!
初めてのアフレコ体験。映像を見てタイミングを確認し、合わせてセリフを言うのですが・・・
あまりにも上手で監督もびっくり!!すぐにプロになれると大絶賛でした。すごい!

 

14:00 発表会
いよいよ完成作品の発表会です。
準備日に苦労して設営したスクリーンの準備もバッチリ!

参加児童の保護者の皆さん、稲敷市内でご協力いただいた関係者の皆さん、報道の方々、スタッフ、こども映画学校に関わった全員がスクリーンの前に大集合しました。

各班ごとにポスターを持って制作した映画の宣伝発表と上映会が始まります。
宣伝発表では制作してみて感じたことや作品の見どころについて発表してもらいました。

A班の映画は『愛の誘拐事件』(テーマ:「スティーブ・ジョブズ/インターネット」「バスケットボール」「木」)
制作発表でも元気一杯のこども達。他の班と比べると比較的自由な言動の目立つ賑やかな班でしたが、発表会でも超大盛り上がり。
東京の子も稲敷の子もみんな一緒になって大爆笑。
でも、出来上がった作品は非常に心温まる素敵なラブコメディでした。
クライマックスのアクションシーンは見ごたえ抜群!
とても楽しくて可愛らしく、誰もが見ていて幸せな気持ちになれる傑作映画です。

 

B班の映画は『闇キュン 〜だれも知らないナゾの少女〜』(テーマ:「ゆるふわ系」「絵の中に入って大変なことになる」「ケンカ売りがケンカを売って大ゲンカ」)
A班の熱狂的な盛り上がりに比べると、やや真面目で大人しい子の集まったB班。
小道具などの作り込みを最も頑張った班でもあります。
二重人格の女の子が主人公のファンタジー映画なのですが、人格の入れ替わり演出がお見事。
こども達がとても楽しんで作ったことがわかる一方で、非常にクオリティの高い作品でもありました。
スタッフに演出は全部監督が・・・?と聞くと、何とこども達が意見を出し合って撮ったそうで。す、すごいです。

 

C班の映画は『パーティーとスパイだらけの世界』(テーマ:「パーティ」「スパイ」「異世界」)
C班はこども監督が引っ張っていって作品を作りました。
カット割りやリテイクの少なさ、まだまだ経験不足のこども監督の詰めの甘さがある意味で作品の持ち味に。
ポスターを作りながらもずっと監督がいじられていたのですが、まさに監督のために一致団結。
なかなか打ち解けられずにいた稲敷のこども達から監督に話しかけるなど、最終日にしてようやくチームの結束が生まれました。
舞台挨拶では、そんな監督のかわいい失態もあえて「作品の見どころです!」と発表。
ファンタジーでちょっぴり怖い冒険映画のオチで見事に会場の笑いを掻っ攫いました。

 

それぞれに班のカラーの出る、非常にユニークで楽しい3作品でした。
最後に、「自分たちの作った作品が一番面白かったと思う人」と実行委員長が質問すると、
元気よく真っ先に全員が手を挙げた班が1班・・・
そう、A班です。
自信満々なA班のみんな、会場も思わず笑いに包まれました。

完成した映画はこの後、福島こどものみらい映画祭で上映されます。

 

16:30 解散
ついに生徒の皆さんとスタッフのお別れの時です。
協力してくださった稲敷市の皆様、生徒の皆さん、また備品などを提供していただいた福島こどものみらい映画祭実行委員会の皆さま、本当にありがとうございました。
ぜひつぎは映画祭で!

おわりに

映画学校は、こどもたちが自分たちだけで映画を制作するのではなく、プロと一緒に映画を作ります。生徒とスタッフがともに新たな発見をし、影響を受けあって成長できる場が映画学校です。プロの大人の仕事を間近で見ること、触れること、体験すること、それがこどもたちにとって、自分の将来や仕事、職業について考えるきっかけとなることを目指しています。つまり、映画学校の活動とは、映画を通じた「キャリア教育」です。

また、今回は初めて開催地のこどもと東京のこどもが混ざって映画作りを体験するという試みが行われました。
初日は出身地の異なる子と上手くコミュニケーションが取れず、こども映画学校に不安を抱いていた子もいました。
特に初日は東京のジュエリーキッズのこども達が引っ張っていく場面が非常に多く、稲敷のこども達がなかなか自分の意見を発露できないことも多くありましたが、二日目の撮影、そして最終回の上映会を一緒に経験していく中で徐々に打ち解けていきました。
最後の上映会ではみんなが完成した映画に夢中になり、映画を 通じて一つにることができました。
稲敷市のこども達はもちろんほとんどの子が初めての映画制作体験でしたし、東京から参加したジュエリーキッズさんの子役達にとっても、映る側ではなく「撮る」側の経験は初めての子も多かったようです。
どちらのこどもにとっても、もともと持っていなかった視点に出会い、それを育てる非常に刺激的な3日間になりました。
自分たちとは異なる人たちと触れ合う中で、他者の意見を聞くこと、そしてその中で自分の意見に目を向けること、コミュニケーションの取り方、力を合わせることを、学ぶきっかけの一つにこども映画学校があれば幸いです。