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イベントレポ

こども映画学校2021@福島県 駒ケ嶺小学校 レポ

白桃好きです さくらです。
先々週、11月15日(月)-18日(木)、福島県駒ケ嶺小学校にて「こども映画学校」が開催されました!
「こども映画学校」は、NPO法人こどもフイルムの活動の1つとして2012 年から開催されている3日間の映画制作ワークショップです。(こどもフイルムの活動についてはこちらの記事でまとめています。)
本日はこのこども映画学校2021@駒ケ嶺小学校の活動の模様をレポにてお伝えいたします!


こども映画学校(2021/11/16)

@駒ケ嶺小学校

準備日

15:00 会場到着

開催にそなえ、スタッフは前日入りして会場を設営します。企画会議などのための会場、上映会場を設営し、使用させていただく駒ケ嶺小学校の先生方にご挨拶いたしました。
会場は机の設営だけでなく、大きなところではパソコンや機材の搬入、設置などを行います。
上映会場は視聴覚室をお借りしました。許可を取り、光が入る窓を全て暗幕で閉じていきます。

名札を仕分ける作業中、何人かの生徒さんが興味津々に声をかけてきてくれました。大きなパソコンを見て「すごい」とはしゃいでくれる声に、この後の三日間への緊張とワクワクが高まりました。

その間、監督陣はロケハンへ。まだ見ぬストーリーの背景となるロケーションを学校周辺で探します。

18:00 打ち合わせ

スタッフは全員近くのホテルに宿泊します。
今回の映画学校に関わってくださる福島県のスタッフ、事務局長、教育委員会理事長など、活動を支援してくださる皆様と打ち合わせをし、今回の映画学校のテーマ決めをスタッフ陣で行います。なかなか決めかねていた時、監督がふと、机の上に置かれていた紙を取り上げました。それはコロナ対策の注意書き。監督は紙を指して言います。「今回のテーマ、これ。」新しい生活様式。コロナ禍によって一新された日常と、これから中学生という新たな門出を迎える6年生の学生生活を掛けたテーマです。

小学生にとっては難しいんじゃないか、こどもにとって十分広がりのあるテーマだろうか、など白熱した議論は0時まで続きました。

こども映画学校 1日目 台本作り・演技指導

8:20 開会
駒ケ嶺小学校6年生達が会場に集まってくれました。
ここから、3班に分かれての映画制作が始まります。
A班:永田 琴 監督

B班:横井 健司 監督

c班:西海 謙一郎 監督

個性の異なる3人の監督と26人のこども達。三日間でどんな作品が生まれるのでしょうか。

8:40 制作開始 ストーリー決め
「こども映画学校」1日目はまず企画会議から始まりました。
各班ごとにテーマに合わせたプロット作りを進めていきます。

A班は「映画」のジャンルから決めるようです。

B班は「テーマ」から連想されるもの・ことについて意見を出し合い、

C班はストーリーの骨格となる「出来事」から決めるようですね。

サーモン一生分食べたい。インパクト抜群の言葉がC班のコンセプト(?)に決まりました。

13:00 脚本制作・演技指導・機材操作・小道具作成(15:20まで)
1日目の午後は脚本を詰めて読み合わせ。同時にキャストをやる子は役になりきって言葉を発する演技指導を受けます。
演者だけでは映画はできません。画を撮るカメラマン、音を撮る録音、監督、助監督などなど、映画には様々なスタッフが必要不可欠です。明日からの撮影に備え、プロのスタッフがこどもたちに機材の使い方を教えます。

はじめて触るカメラやマイクに少し緊張気味のこどもたち。
明日からの撮影が楽しみですね!

C班はそのままロケハンへ。イメージに合う場所を探索します。

A班はさらに小道具も自分たちで作るみたいです。

可愛いコロナウイルスがたくさん出来ました。って、一体どんな話になったのでしょう?!

15:40 脚本・小道具制作
宿にてスタッフは作業を続行。明日の撮影までに脚本と明日の撮影スケジュール、小道具を仕上げます。
各班ともに超真剣勝負です。

こども映画学校 2日目 撮影・編集

8:20 制作・撮影
各班脚本の読み合わせを終え次第、いよいよ撮影開始!
B班は浜辺の公園へ向かいました。今回の映画学校では唯一のロケーション撮影です。

プロのスタッフ指導のもと、実際に撮影をはじめるB班。監督の厳しい演技指導で何度もリテイクが飛びます。

12:50 撮影(15:20まで)
2日目のうちに撮り切ることが目標です。3チームのうちで一番長い脚本を制作したA班は大忙しです。果たして撮りきることはできるのでしょうか?

日が暮れかかると、C班はちょうどクライマックスの撮影が始まりました。本物のサーモン登場に大盛り上がりのこどもたち。盛り上がっていると、路の奥からA班の声も聞こえてきて、まさに大詰めの雰囲気です!

15:40 編集
スタッフ、監督は宿で編集作業開始です!日中に取り切った素材を切って貼って貼りまくる怒涛の時間です。急に素材を読み込めなくなるパソコン、撮り逃した素材、はまらない音、様々な問題がスタッフを苛みます。

こども映画学校 3日目 編集・発表

8:20 編集・ポスター制作
撮り逃がした素材の撮影とその取り込み、編集の傍ら、三日目は「ポスター制作」も行います。映画にとって大切な「宣伝・配給」。そこに欠かせないのが宣伝ポスターです。
各班2枚のポスターを制作します。
A班はみんなの感想を書いた文字のポスターと映画内の印象的な一場面を描いた絵のポスターを制作。小道具のあまりの毛糸を装飾に取り入れています。

B班はマスキングテープを使ってタイトルを書きました。カラフルでとっても可愛いです。

c班はもちろんサーモンづくし。どんな内容なのかとっても気になるポスターです!

13:00 発表会
いよいよ制作した作品の発表会です。各班上映室にてポスターを持ち寄り宣伝発表。制作してみて感じたことや作品の見どころについて発表してもらいました。
そしてそのまま待ちに待った上映会!自分たちで作った作品はもちろんのこと、他の班が制作した作品も、みんなで映画を楽しみました。
1日目はなかなか意見が出て来ず、ちょっぴり心配なスタートだったはずが、A班は会場大盛り上がりのコメディ映画、B班はちょっぴりこそばゆい青春映画、c班は意外にも心を揺さぶられるシリアス映画と、同じテーマでありながら各班全く異なるとっても個性的な作品を見せてくれました。どの班もいつのまにかこどもたちの色でしっかり染まっていて、3つの映画が3本とも、とってもカラフルでユニークな、唯一無二の作品に仕上がっています。
制作した映画はこの後、福島こどものみらい映画祭で上映されます。

14:00 閉会式
弊社前田から閉会の言葉を告げ、3日間の映画学校が閉幕しました。

14:25 解散
使わせていた会場を現状復帰し、ついに生徒の皆さんとスタッフにお別れの時が来ました。
協力してくださった学校の先生方、生徒の皆さん、また福島県教育委員会ならびに福島こどものみらい映画祭実行委員会の皆さま、本当にありがとうございました。
また映画祭でお会いしましょう!

おわりに

映画学校は、こどもたちが自分たちだけで映画を制作するのではなく、プロと一緒に映画を作ります。生徒、スタッフ、ともに新たな発見をし、影響を受けあって成長できる場が映画学校です。プロの大人の仕事を間近で見ること、触れること、体験すること、それがこどもたちにとって、自分の将来や仕事、職業について考えるきっかけとなることを目標としています。つまり、映画学校の活動とは、映画を通じた「キャリア教育」です。
この「こども映画学校」の活動は、始まる前と終わった後にアンケートを行なっています。それは、こどもたちの精神的な成長を問うアンケートです。毎年、多くの生徒がこの活動による成長を答えてくれます。「こども映画学校」は、こどもたちの成長を応援し、支援するプログラムとして確かな実績を持ち始めています。

駒ケ嶺小学校での活動が始まる前に、担任の目黒 和恵先生にインタビューをしました。「こども映画学校」の活動を通じてこどもたちに何を望みますか?」と尋ねると、先生はこう答えてくれました。
「(普段)受け身なところが多いのかな、素直でとても可愛らしいんですけども、自分で考える、判断する、そういう力が今回少しでもついてくれれば良いなと思っています。」

実際、1日目の会議ではなかなか意見を出せずにいる子、2日目の撮影でもなかなか役職をやりたがらない子も多く、様々な小学校に行ってきたスタッフもおとなしい子達だなと思っていました。しかし最終日三日目、スタッフを見送るために、車を追いかけて走り出したこどもたちを見ると、みんな騒がしいほどに元気いっぱいで、一生懸命で、口々に思いついたお別れの言葉を叫んでくれて、内向的なおとなしいこどもの姿はどこにもありませんでした。
こども映画学校の3日間は、めまぐるしいこどもたちの日常にとっては、また彼らの遥かな成長にとっては、大海の一滴に過ぎないでしょう。でも、きっと意味のある一滴です。

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さて、今年はこども映画学校がもう一度開催されます!
場所は福島県天栄村。日本一美味しい米どころです。
今回はなんと、インターンとして大学生の参加も予定しております。興味のある方は是非ご連絡ください。