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映画基礎講座

【映画制作】 〜1day仕事体験 1/7日目〜 プロデューサーについて

さくらです!今日はインターンシップのまとめ第一弾として、
”プロデューサーについて”をお伝えします。

よく聞く単語だけれど具体的に何をしている人なのかわからない、エグゼクティヴ・プロデューサーや協力プロデューサーなど○○プロデューサーという言葉はよく見かけるけれど、その違いがわからない。そんな方も多いのではないでしょうか?プロデューサーの仕事と種類、そして心得についてを、簡単にお話ししていきます。


映画基礎講座 1day仕事体験

プロデューサーについて

映画基礎講座の目的

楽映舎では、マイナビを通じて10月から約4ヶ月に渡り毎週水曜日に「1day仕事体験」を行い、エンタメに興味を持つ多くの学生にご参加いただきました。
参加してくださった学生は、映画を専門とする学生から、そうでない学生まで様々でした。どちらかといえば、専門学生や美大生の方が少なかったです。楽映舎インターンシップの目的は、多くの人に映画制作に興味を持ってもらい、その楽しさ、面白さを知ってもらうことでした。こうして様々な学部の、様々な学生に参加していただけたことは、非常にありがたいことでした。

ここで、楽映舎の舎員の出身について一部ご紹介しましょう。
理工学部、文学部、教育学部、社会学部、経営学部・・・とこちらもまたバリエーション豊かな面々。もちろん、美術学部や専門学生もいます。いろいろな専門の人がいること、いろいろな専門の人たちが集まって一つの映画を作ること、これが映画制作の面白さの一つだと楽映舎は考えています。映画は総合芸術です。宇宙の映画を撮るときは宇宙の知識が、学校の映画では先生の知識が、脚本の表現一つ一つに至るまで、あらゆる経験、様々な専門知識が必ず役に立ちます。一つとして無駄になることはありません。だから、いろんな人が集まった方が面白い作品ができるはずなのです。
こんな話を、毎回「1day仕事体験」の初めに話してきました。この映画基礎講座でも、多くの方に、映画の現場や、創る側のことを少しでも分かっていただき、興味を持っていただけると幸いです。

映画プロデューサー 前田茂司

プロデューサーには世界中の人達とコミュニケーションを取る能力も必要とされます。

プロデューサーの仕事について

皆さんは映画プロデューサーと聞くとどんな仕事を思い描きますか?
あるいは、憧れはありますか?
人を喜ばせ、怒らせ、哀しませ、楽しませ、 心を強く揺さぶる映画を世界中に届ける___そんな壮大なロマンを、プロデューサーは叶えることができます。

もう一つ、映画のロマンをお話をしましょう。
自分の夢や想い、誰かに伝えたいメッセージを、 時代や国を超えて残していけるものというと、何を思い浮かべますか?
例えば文学、絵画、音楽____。様々なものが挙げられるでしょう。そして映画には、その”全て”が詰まっています。言葉も、絵も、色彩も、音楽も、映画は全てを兼ね備えています。

そんな映画を、 夢や想いの種から一つの作品にまで育てあげ、人々に届けることがプロデューサーの仕事です。

映画プロデューサーの仕事内容は大きく3つに分類できます。

1、企画製作
2、現場制作
3、宣伝・配給等の興行部門

プロデューサーは、映画製作全体に関わり、把握しながら、映画製作を円滑に進行させる 潤滑油であり血液のような存在です。
豊富な知識、総合的対応力、判断力、調整力を必要とします。

 

1、企画製作

・企画立案
・出資者への交渉、確保、プロデューサーチームの編成
・脚本家や映画監督、その他のスタッフ選び
・主要キャスト選び

こうしたことが、まず企画製作段階のプロデューサーの主な仕事になります。

映画の企画は様々な原作もの、あるいはオリジナルアイデアから抽出して考案されます。こうした企画の立案だけでなく、企画を元に脚本家や監督といったメインスタッフ及びメインキャストの選定、それを元に企画書の作成、企画書を持って出資者への交渉・・・といったことが企画製作業務段階でのプロデューサーの仕事になります。
企画が成立したら、撮影に入るまでの期間にシナリオの検討、それに基づくスタッフィング、キャスティングも行います。

 

2、現場制作

・準備から撮影(クランクin〜クランクup)、音楽、音響効果、仕上げ、作品の完成/納品までの全ての工程の包括的管理

プロデューサーはクリエイターではありません。制作現場で直接関与するわけではなく、全体のサポートに回りつつ、完成までの全行程を見届け、総合的な責任を負います。ここでのプロデューサーの主な役割は、各部門のスタッフ達がその能力を遺憾なく発揮できるよう、現場を調整することです。

 

3、宣伝・配給等の興行部門

・宣伝・配給、興行サイドとの交渉
・資金の流れの管理

完成作品を作り手から観客の元へと運んでいく重要な活動が”宣伝・配給”です。
どんなに面白い映画を作っても、宣伝効果がなく誰も知らなければ映画の興行は失敗に終わってしまいます。プロデューサーは、幅広く作品をアピールするための方針や作戦を企画制作時から考え、多くの話題を作りながら一人でも多くの観客に作品の面白さ、素晴らしさを伝えていきます。

プロデューサーの種類について

企画者・製作者をプロデューサーと呼び、業務、ライン上のランクなどでプロデューサーを区分する場合があります。
主なプロデューサーとその役割は以下の通り。

・エグゼクティヴ・プロデューサー:映画プロデューサーのトップ、製作総指揮
・協力プロデューサー:業務は映画プロデューサーと同等か準じた業務
・共同プロデューサー:業務は映画プロデューサーと同等か準じた業務
・企画プロデューサー:原案・企画、映画作品自体のコンセプトの礎を担う
・CGプロデューサー:実写・アニメ作品のVFXパートにおけるプロデュース
・ラインプロデューサー:制作担当、制作主任、制作進行のラインのトップ
・キャスティングプロデューサー:キャスティング業務のプロデュース
・音楽プロデューサー:劇版、主題歌のプロデュース
・宣伝プロデューサー:配給部門における宣伝業務のプロデュース

おわりに

映画制作の仕事は、人に始まり人に終わります。プロデユーサーの仕事も人との関係をどう構築してネットワークを広げられるかが重要です。各部門のスタッフと信頼関係をうまく築けなければ、観客の心に響くような作品は創れません。そして単純にモノを生み出すのではなく、価値を生み出す者がプロデューサーなのです。

 

0/7 プログラム
1/7 プロデューサーについて
2/7 映画制作の流れについて
3/7 楽映舎について
4/7 映画の様々な仕事について
5/7 企画、脚本、予告について
6/7 制作現場について
7/7 映画の見方、映画祭について