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映画基礎講座

【映画制作】〜1day仕事体験7/7日目〜映画の見方、映画祭について

さくらです!今日はいよいよインターンシップのまとめ最終回!
1dayでのお話を7つに区切りご紹介してきましたが、いよいよ7/7日目となりました。
そんな第7弾では”映画の見方について”、”映画祭について”、そして”インターンQ & A”をお伝えします。

これまで過去6回にわたり、映画を作る側の想いについて述べて来ました。
最終回を締めくくる今日は、映画を観る側の目線についてお話ししていこうと思います。

過去のログはこちら↓
0/7 プログラム
1/7 プロデューサーについて
2/7 映画制作の流れについて
3/7 楽映舎について
4/7 映画の様々な仕事について
5/7 企画、脚本、予告について
6/7 制作現場について


映画基礎講座 1day仕事体験
映画の見方について
映画祭について
インターンQ & A

映画の見方について

 

テーマを考える

 

映画制作の流れについて」、「映画の様々な仕事について」、「企画、脚本、予告について」でも度々ご紹介して来ました通り、多くの映画は「伝えたいメッセージ」を核にして作られます。
映画を観る視点の一つに、その「メッセージ」や「テーマ」を考えるという視点を持つことはとても大切です。

 

インターンでは「継ぎの物語」という2020年度楽映舎新入舎員らが制作した映画を観てテーマを考えていただき、それについて制作に関わった新入舎員からの解答がありました。しかし、大切なのは「実際どうであったか」ではありません。
一つの作品に対し、自分なりに作品の伝えたいものを考えるという過程、そして”観た側が”「実際に何を受け取ったか」が重要です。
当然、インターンでも人によって様々な解釈が寄せられました。舎員は一つの解を提示しましたが、そうでないものが誤っているというわけではありません。作品から観客が受け取れる全てに意味があります。そして、「人によって様々なメッセージを感じ取れること」が映画の面白さでもあると思います。インターンでも、制作側が思いもよらなかった、素晴らしい視点を教えてもらうこともありました。映画が “何を伝えようとしていたと感じられたか“、”自分が何を受け取ったか“を考えること、これが映画を観ていく上で、そしてあるいは作る上でも、常に重要な基礎、基盤です。

 

 

制作の工夫を考える

 

映画を観る際にもう一つ持っていただきたいのが、制作の工夫を考える視点です。なんとなく作られる映画というものはありません。必ず現場では様々な工夫が様々な所で行われています。
「好きなシーン」「好きなセリフ」「好きな役者」を見つけることは、どんな映画を観ていても何かしらあるのではないでしょうか?あるいは音楽も、好きだと感じやすいポイントだと思います。映画の仕事の種類を知ることで、より多くのポイントに気がつきます。
俳優のキャラクター作りにしても、演技、メイク、ヘアスタイル、衣裳、持ち道具などの工夫。さらにそれを切り取る撮影、照明の工夫。セリフを撮る録音、動きや周囲の環境を演出する効果音の工夫が様々に凝らされています。もちろん、そもそものキャスティングの工夫というものも指摘できます。
編集の最も大きなポイントはカットやシーンの繋ぎ目などですが、感情の動きのタイミングや時間軸の伏線など、様々なことが編集を通じて工夫されます。また、ロケーションの工夫が目立って作品の面白さを際立たせている作品も多いですね。凝った屋内のシーンが多い作品は美術、装飾の工夫が面白いです。CG、VFXのクオリティは映画では一目で歴然ですし、最近ではCGとは全く気づかないようなCGも増えてきています。特殊効果の演出に目を見張るアクション映画も多いですね。
当然、これが全てでもありません、スタント、アクション指導、言語指導、所作指導、警察監修、特殊造形・・・とてもご紹介しきれないほどのたくさんの仕事で映画は作られています

映画がどのようにして制作されているか、その全てを完全に理解していなくても、映画にどれだけの仕事があるかどれだけの情熱が注がれているかを少しでも知ることで、映画を観る視野が一気に広がります。映画の楽しみ方が増えるだけでなく、作る側の視点に一歩近づくこともできます。もちろん、映像からは全く見えない工夫もいっぱいあるはずです。もしかすると制作部がとても美味しいロケ弁を手配してみんなのモチベーションを上げたかもしれませんし、危ういミスを記録が救っていたかもしれません。我々が観られるのは映画を通じたごくごく一部です。その一部を作り上げるための努力を具に観察___とまではいかなくとも、「なんか良いな」「好きだな」と思った部分について、なぜ良いのか何が好きなのか、ちゃんと考えてみることはとても意義のあることです。

 

工夫を考える一方で、ダメだと思った点を考えることも映画の見方の一つです。
これも画の一つ一つの工夫を考えるのと同様に、「どこが」「なぜ」よくないのか、分析してみると面白いです。さらに言うなれば、「自分だったらどんな工夫ができるか」という視点を持つと、より深い視点から映画を考察することができます。もちろん、いざ映画制作をすることになった際にはこうした視点が活きていきます。

 

映画祭について

 

完成した映画映画祭に出展され上映されることも少なくありません。
世界三大映画祭とされている権威ある映画祭についてご紹介します。

1、カンヌ映画祭(フランス)
第二次大戦終了から1年後の1946年、当時ファシズム色が濃かったヴェネツィア映画祭に反発したフランスの映画人が自由主義国の映画祭を目指して創設したと言われています。ドイツ・ベルリン国際映画祭同様、しばしば国際政治の影響を受けてきましたが、今では数多い国際映画祭の中でもトップクラスの格付けを受けています。映画の芸術性を競う国際コンペティションと並行して、映画の国際ビジネスを目的としたスケールの大きいフィルム・マーケット(映画見本市)があることでも知られ、マルシェと呼ばれるこの国際見本市はカンヌのもう一つの目玉であり、今では世界最大のフィルム・マーケットになっています。カンヌ映画祭はまさに、芸術とビジネスが同居した映画祭でもあります。
世界各国から作品が応募されるこの映画祭には、多くのバイヤーも各国から参加するため、先述したフィルム・マーッケット(見本市)による役割も大きいです。厳しい審査基準をクリアした作品が上映されることは、バイヤーたちにとっても一つの指標となります。そして制作側にとっても数多い応募総集の中から、映画祭で上映されるということはある種のステータスの獲得でもあります。この双方にとって有益な実態が、カンヌ映画祭の最大の特徴であり、役割であると言えます。

2、ヴェネツィア国際映画祭(イタリア)
1932年に創設され、現存する国際映画祭としては世界最古の映画祭です。ヴェネツィア本島から少し離れたリド島で、毎年8月〜9月にかけて開催されている。この映画祭の創設は、「現代美術展ベネチア・ビエンナーレ」の一部門として「ヴェネチア映画芸術国際展」という名称のもと始まりました。
2年後に第2回が開催され、この年からコンペティション部門がスタート。審査員が作品を選定し表彰する映画祭の構造が形成されました。
カンヌ、ベルリンと違い、映画のビジネス部門であるフィルム・マーケットを持たないことでも有名で、そのため人の集まりも少なく全体のスケールが小さいとも言われていますが、地味で落ち着いた芸術的なムードが濃く、近年では歴史と風格のある映画祭として認知され、伝統的に映画の芸術性を尊重する「映画芸術のための映画祭」として親しまれています。

3、ベルリン国際映画祭(ドイツ)
1951年に第1回が開催されたこの映画祭は、設立理由が諸説あります。一つは、ベルリンの壁が存在していた冷戦当時、東ドイツに対して西側が「豊かさと自由の象徴として設立した」という説で、もう一つは「壁の中に住む西ベルリンの市民たちを励ますために創設された」という説があります。また東ドイツを通して押し寄せる社会主義文化の攻勢に対抗する狙いもあり、いずれにせよ東西対立時代の政治的パフォーマンスとして創設されたと言われています。
政治的時代背景の影響を色濃く残しながらも、1956年からは、国際映画祭として公認され、審査員にも国際的な監督、製作者、俳優、評論家などを招聘し、審査委員会がその年の優秀な作品を選出する方式で開催しています。有名スターを審査員に招くカンヌとは異なり、評論家や監督が多く審査員を務めることから、選考が辛口だというのがもっぱらの定評です。現代では世界三大映画祭の一つとも云われ、権威ある映画祭としての地位を確立。他の映画祭と比べ社会派の作品が集まる傾向があり、また近年は新人監督の発掘に力を入れていることでその特色を示しています。

 

以上が、世界三大映画祭です。この他にも、モントリオール映画祭、モスクワ国際映画祭、ソチ映画祭、サンセバスチャン映画祭、カルロヴィ・ヴァリ映画祭、カイロ映画祭、ファジル映画祭、東京国際映画祭、プーラ映画祭、ハバナ映画祭、シンガポール国際映画祭、クラクフ映画祭、白夜映画祭、ヴァルナ映画祭・・・と世界中に多数の国際映画祭があります。

さらに、日本国内でも数多くの映画祭が開催されています。多くは地域活性化を目指した「まちおこし」運動の色彩を持っていますが、アジア(ゆうばりファンタスティック国際映画祭)、ドキュメンタリー(山形国際ドキュメンタリー映画際)、フェミニズム(あいち女性映画祭)などのように、明確なテーマと対象を持ち、映画文化の多様性を示すと同時に、次の未来を見据えたひとつの「文化運動」としても注目されています。
楽映舎も、2009年より毎年開催されている「福島こどものみらい映画祭」に協力しており、そこでは福島県内の学生がプロと強力して映画を作る「こども映画学校」「映画塾」というワークショップの活動で作られた映画も上映されます。この映画祭には、「こども」と「大人」が映画を通して学び相互に理解を深め、社会を受け継いでいきたいというテーマが設定されています。

 

1day仕事体験Q & A

1day仕事体験で寄せられた質問と、それに対するプロデューサー前田の回答を選りすぐりでご紹介します。

 

プロデューサーの仕事について

 

Q 脚本家と制作で意見の食い違い等はありますか?
A 常にあります。そこをまとめていくのがプロデューサーの仕事なので、調整能力が必要です。

 

Q 監督とスタッフの意見をどう合わせるの?
A 基本的には監督のやりたいことに協力し、よほどのことでない限りは監督を優先します。しかし、監督のやりたいことを100%実現することは、様々な条件により非常に難しいです。監督の理想を現実的に実現できる範囲内に収めるのもプロデューサーの仕事です。

 

Q テレビドラマのプロデューサーと映画のプロデューサーの違いは?
A プロデューサーは現場におけるクリエイティブの仕事ではなく、作品のために集まった各才能を持つクリエイター達が、一つの作品に向かって自分たちの才能を遺憾なく発揮できるような場を提供するのがプロデューサーの仕事という点では仕事内容はテレビドラマも映画も同じです。ただ、テレビドラマは毎回の視聴率をすごく気にします。また、仕事の規模が大きく変わります。また、テレビドラマは同じスタッフで制作を進めていくことが多いと思いますが、映画は大抵その作品ごとに大きくスタッフが入れ変わります。

 

映画制作について

 

Q 映画業界は赤字続きって本当?今後の進展、衰退は?
A 映画業界はすでに衰退してきていると言えます。その中でも邦画はまだ比較的調子が良いほうです。ただ映画はもともとハイリスクローリターンで2割当たれば良い方と言われています。失敗するとすごく痛いです。
配信が増えたことで二次使用、三次使用による収益が様々に増えてきているので、エンタメ業界自体はそれほどの打撃はありません。儲かっていないことは確かだけれど、良くも悪くもなくなることはないかと思っています。

 

Q 原作はどういう基準で探しますか?
A 人気アニメの場合は出版社側が実写化などを決めている場合が多いです。また、いろんな賞を取った作品は大体映画になりますが、そういったものは基本的には出版社と大手映画会社が連携してすぐに抑えています。売れている、有名な、流行りの原作はなかなか抑えられません。原作者が映像化したくないと主張するものもあります。ケースバイケースです。
なお、楽映舎の場合はただ「自分の好きなもの」を選んでいます。企画書を出版社に持っていって交渉します。誰も見ていない、知らないもの、古い原作などを自分たちで探しています。探すのは結構大変です。また、会社を通さずに個人が企画を持ち込むことはよほどのレベルにならないと非常に難しいです。
完全オリジナルで映画が作られる場合もあります。
また、基本的には原作を預かるからには責任を持って映画を作らなくてはなりません。

 

Q 原作通りの作品を作った方が収益見込めるのでは?
A 全く原作通りでは、まず2時間の映画に収まらなくなります。また、ファン一人一人に作品への意見や見方があるので、それは1つにはまとまりません。原作ファン全員が納得できるような作品作りは困難だと思いす。
また、原作のあるものを映画化する際には、全く原作通りにという考え方もありますが、楽映舎は原作を預かる以上、原作の伝えたいこと、面白いところ、原作者のメッセージ、描きたかったところを汲み取り、原作者が一番のお客さんになってもらえるような作品を作ることを目指します。
映画監督には、作品にかける想いだけでなく、その力量と経験が必要です。例えば素材に対して料理人の腕前が求められるように、楽映舎では原作通りではなく「この手があったか」と思わせられる作品を作ろうとしています。

 

Q 原作がなかったらどういう流れで制作されるの?
A 過去の作品のデータや、何を作りたいかというテーマをもとに、いろいろなアイデアを出し合って、まず簡単なプロットを作ります。スポンサーサイドと交渉し、面白い企画が立つと制作が決まることもあります。ただ、原作は話題性が立ちやすく、宣伝しやすいため、興行収入の計算もしやすいです。そのため、人気原作ものの作品の方が数が多いです。人気のある原作は取り合いになります。対して、原作のないものはある意味冒険になります。

 

Q 俳優のキャスティング予算も総予算の中に入っているの?
A もちろん入っています。まず総予算を決め、キャスティング予算は作品の規模や内容等によって算出されます。キャスティングの俳優費に基づいて主演を決めてから、脇役を決めていきます。

 

Q 何本か掛け持つこともあるの?
A 現場のスタッフは掛け持つことはできませんが、プロデューサーなどは企画、現場、仕上げなど何本もかけ持っています

 

Q 企画から上映まではどのくらい?
A ものによります。企画はそもそもものになるかどうかわからないです。10本中9本かそれ以上はものになりません。数年かかる場合もあればすぐに決まることもあります。撮影も作品によりますが、全国上映規模の映画はだいたい1.5〜2ヶ月。四季を追う場面のある映画は半年〜一年以上。CGの多い作品ははさらにCG制作に半年以上。納品から宣伝・配給も含めて上映までにさらに半年かかることもあります。企画から上映は作品の内容や制作方法により様々です。

 

Q グリーンバックとブルーバックの違いは?
A どっちも役割は同じです。衣裳の色や重ねるCGの背景の色に合わせて使い分けます。

 

Q プロデューサーは現場で何やってるんですか?
A 監督の横に座って写真を撮ってます(笑)。基本プロデューサーはクリエイティブな仕事はしません。どちらかというと「見守り」。配給までの全ての仕事に関わるので、現場以外での仕事の方が大きいです。

 

Q 海外撮影で一番大変だったことは?
A コミュニケーションが一番大変で大切なことだと思います。海外の人は忖度なくなんでも話してくれます。そういったところに対応していくのが大事だと思います。
映画制作の盛んな国とそうでない国によって、撮影の進行具合も変わります。生活環境もものの考え方も宗教も全く異なるところで撮影をするので、その地域を理解して学ぶことが何よりも大切です。

 

Q 天候に左右されるロケーション撮影はどうやっているの?
A 実際に撮影中に突如雨が降ってピンチだった時がありました。その時は、急遽雨を全てCGで雪に変えることで、より映画にとって効果的な演出に変更されました。ただし、基本的には事前に天気予報を確認し、判断のつかない時にはどちらでも撮影ができるようにスケジュールを組みます。ただ、どうしてもスケジュール等の都合上撮影を進めなければならない際は、監督には割り切ってそのシーンの天候を変えてもらうこともあります。

 

Q 映画とドラマなどの映像コンテンツの明確な違い
A テレビと映画は明確に画面サイズが違うので、映画は広く画を撮ります。あと、は劇的に違う。テレビは基本的にステレオです。また、映画は撮る機材もレンズから違います。シネマレンズで撮ることで光の捉え方やフォーカス等の違いなど表現力が格段に変わります。映画の方が予算もかけられるので、当然美術も変わってきます。
撮影期間の規模感も異なります。30分番組のテレビだと大体数日で撮れるのに対し、映画は1、2ヶ月。テレビは時間に追われるので、ある程度割り切った制作体制が必要です。
ただし、昨今のアマゾンやネットフリックスなどのサブスクオリジナルドラマなどはお金も期間も十分にかけて世界配給を前提に制作しているので、映画よりも人気のコンテンツも多数あります。これはまたTVドラマとは別のコンテンツです。

 

Q 今の内につけといた方がいい能力は?
A 楽映舎としては逆にフラットできてほしいです。特別なことは求めません。ただ、映画をたくさん見て、記憶に残る名場面や名台詞をメモするなど、映画を分析することをしてほしいです。映画の裏側を気にしながら見てもらうと勉強になるので、心がけてほしいです。
できれば「自分がどんな映画を作りたいか」を常に意識して欲しいです。

 

 

楽映舎について

 

Q 楽映舎では新人は何から始めるのか
A 将来的にはプロデューサーや監督を目指してほしいと思っています。基本的には希望を聞きますが、空きのある部署に入ってもらうこともあります。ただし、なんでもできる人になってほしいので舎内のいろんな部署を回ってもらいます。勿論その都度ごとに希望を聞きながら。

 

Q キャリアアップの順番は?
A 楽映舎で言うと一番大切なのは制作部です。人を表現する仕事なので、人と繋がっていかないといけません。現場のマネージャー的な仕事をする制作部(制作進行)から始めると、いろんなスタッフと繋がり、全体の仕事がわかるようになります。その先に制作主任、制作担当、そして現場の責任者であるラインプロデューサーがあります。なので、最初のキャリアとしては全ての部署に関わっていく制作部を推奨します。
ただ、企業と同じ形で積み上がってはいきますが、自分の持っている力に応じてキャリアが決まることもあるので、年数=キャリアにはならないことがあります。実力勝負です。監督もプロデューサーも、自分がなりたいと思ってなれるものではありません。全てのスタッフから認められることでなれるものです。
最初はやっぱり現場の雑用係から積み重ねないと、信頼が生まれません。みんなの仕事を見て覚えるというところから始めてもらいたいです。
楽映舎の目標は配給以外の全部ができるようになることです。海外にネットワークを広げ、海外と一緒に映画制作をすることを目指します。

 

Q 入社したら一通りの部署を一周するイメージですか?
A イメージはそうです。ただ、向き不向きもあるから希望を聞きます。映画制作のことは分からず、映画への想いだけで来ている人もいるので、。やっていくうちにやりたいことを見つけたらそれを突き詰めていくのもいいと思っています。

 

Q 制作する映画は年間何本など決まっているの?
A 。決まりはないです。映画の規模によります。

 

Q 一年に何作くらい作られますか?
A 普段だと大きな映画を2、3本と TVシリーズやローバジェットの作品をいくつか作ります。ただ、コロナの影響で映画業界全体でもすごく制作本数が減っています。

 

Q 撮影と撮影の合間の時期は一体何を?
A 撮影期間中にうまく休みが取れなかった場合は代休を取ってもらいます。それが終わると次の作品の準備や、編集の勉強など、常にやることはあります。

 

Q 映画の知識がないまま入社しても自分でやりながら覚えていくという形ですか?
A (舎員)教えてくれる人はいるし、自分で見てやってみたら自分の中に経験や知識が積み重なっていくので、プロに近づけるのかなと思います。
(前田)知識や経験を面接時に優遇する訳ではなく、意欲を優先します。

 

Q 一番仕事をしていてやりがいに感じることはなんですか?
A 仕事をしてきてやめようと思ったことが何度もあります。ただ、出来上がった作品を観ると、自分が業界を目指した時の憧れが思い返されて、もう一度やろうかなと思える。前田の場合、最初に憧れたきっかけはタイトルロールやエンドロールに名前が載ることでした。現場中はやることも多くて忙しいしたくさんの曲者と接しながら現場を回さないといけないから、すごく大変です。だけど、出来上がった作品を見ると自分で反省や感動することもあります。その瞬間、やりがいを感じます。

 

Q どういう方と一緒に働きたいか(舎員として)
A 基本的には人間の物語を作るので、人のことを好きな、人を表現できる人自分のキャラクターをちゃんと持っている人がいいです。でもそれは難しいから、言いたいことを言ってくれる人がいい。一言で言うと、面白い人に入ってきてほしいです。

 

おわりに

 

映画というコンテンツには様々な楽しみ方があります。鑑賞することだけではなく、映画祭に出展し世界中の人と関わることや、もちろん「映画を作ること」も映画の持つ楽しみの一つです。
そしてその映画制作を知ることで、映画の見方、楽しみ方も広がっていきます。映画をただ「観る」ことが好きな方も、制作のちょっとした裏側を知ることで、より好きな作品を増やしていくことができるのではないでしょうか?
映画好き、エンタメ好きの方が、もっともっと増えて、たくさんの面白い作品が世界中に溢れるようになること、その一助となれることを、楽映舎は目指しています。