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映画レビュー

スパイダーマン(サム・ライミ監督)〜世界が彼を待っていた〜

ヒルズさんに続きスパイダーマンの新作を見て以降、スパイダーマンで頭がいっぱいのさくらです。

ということで今日は大人気サム・ライミ版「スパイダーマン」(一作目)のレビューをしてみます。

「スパイダーマン」
日本公開日:2002/5/11
監督:サム・ライミ
キャスト:トビー・マグワイア
ウィレム・デフォー
キルスティン・ダンスト

あらすじ

幼くして両親を亡くしたピーター・パーカーは優しい伯父夫婦のもとで暮らしていた。大好きな幼なじみのメリー・ジェーンには今日も声をかけられず、学校ではメリー・ジェーンの彼氏フラッシュにいじめられる日々。超巨大企業オズボーン社の子息ハリー・オズボーンだけがピーターの友人。ある日、科学の校外学習で訪れた実験施設で遺伝子操作された蜘蛛に噛まれたことでピーターの人生が一変する!

見どころ ①あの”有名な”・・・!

改めて見ると面白さに驚く。20年前の作品のため、多少チープなところは目を瞑ろう、凄かったような気がするがきっと思い出補正だ、がっかりしないぞと心に決めて観初め、あまりのクオリティの高さに驚いてしまった。お、面白い!指に生えた触毛(気持ち悪い)、パルクールどころではない脚力、手首から飛び出る糸とそれを駆使して町中を縦横無尽に飛び回るスパイダーマン!”メガネ”も含め、”超常的な力を得た”ことがとにかく映像的に分かりやすい。リアリティがあって無性にワクワクする。こういった「最初」のシーンが丁寧な超常能力ものは観ていて個人的にものすごく楽しい。
本作は人生で何度みているかわからないが、正直ちゃんと観るのはかなり久しぶりだった。少なくとも5年ぶり。下手すると8年ぶり。それでも嫌な記憶が蘇り、思わずかの惨劇のシーンは席を立ってしまった。全てを知っていながら何度も見られる場面ではないだろう。
そしてかの有名なキスシーン。スパイダーマンといえばこれを思い浮かべる人も多いのではないだろうか。確かホームシリーズのピーター・パーカーことトム・ホランドもこれに啓発された過去があるとどこかで話していたはずだ。
対するヴィランはグリーンゴブリン!アメイジング・スパイダーマンでも登場したスパイダーマンの超定番ヴィラン!どうしても随所の演出がジム・キャリーの「マスク」に被るよ!マスクだけに!そしてグリーンゴブリンとの手に汗握る対決シーン!言いたい!でも言えませんね!我慢します!
更に言えば、エンドロールでラストに流れる(2では劇中でも歌われている)あの「スパイダマン♪スパイダマン♪」の曲
スパイダーマンの代名詞ともされる数々がむぎゅっと詰まっているのがこのサム・ライミ版「スパイダーマン」だ。これさえ押さえておけば、あ〜スパイダーマンてあれでしょ?という完璧な模範解答を出せる。そんな一作だ。(※グリーンゴブリンについては諸説分かれているのでこれをスタンダードと捉えるのは早計。注意が必要だ。)

本作の見どころ ②役者・・・!

ピーター・パーカーを演じるトビー・マグワイアのビジュアルがまさに「冴えないオタク」。「冴えないオタク」が冴えないながらに調子に乗って、反省して、でもまた調子に乗って、一生懸命誰かのために頑張る姿が今日まで至る「スパイダーマン」の型だ。中でもサム・ライミ版のトビー・マグワイア演じるピーター・パーカーはものすごく冴えない。それがスーパーパワーを身につけて、人生をめちゃくちゃにしていくのだから面白くないわけがない。(あまりにも冴えない姿が上手いので困惑のあまり続けて「華麗なるギャツビー」を見返して驚いた。役者って凄い。)
そしてウィレム・デフォー演じるオズボーン博士。いや「マスク」でしょ!と何度も突っ込んでしまったのはご愛嬌。ポップな展開、ポップな世界、ポップなヴィランをどシリアスに演出してしまうので舌を巻く。不意に見せる顔が本当に「怖い」。見事だ。
そして最近は寂しいことに動いている姿に会えなくなってしまったスタン・リー御大圧倒的存在感を放つカメオ?出演も久々に楽しめた。彼を探すのがマーベル作品の長年の楽しみだったことに改めて気付かされた。

おわりに

改めて見返すとやはりストーリーが秀逸だ。悲劇、楽しさ、そして何と言っても彼がたどる運命の皮肉さ。本作のラストシーンで彼が抱えるものには拍手を送りたい。面白い。個々のキャラクターが魅力的に描かれているからこそ、2、そして3のつながりが抜群に面白いのがサム・ライミ版だと感じている。いや、無論、映像の演出も飛び抜けて好きだ。コミックをそのまま見ているような躍動感あふれるカメラワークポップな世界観。私などは世代的にもろ「これこそがスパイダーマン」と植えつけられてしまった。
唯一私が苦手だったのがメリー・ジェーンだ。彼女だけがストーリーにとって都合のいいように動かされ、挙句かなりの遊び人(あの家庭環境なら仕方ないのかもしれないが)になってしまったように見えることだけが解せなかった。これを解消してくれているのがアメイジングとホームシリーズだと感じている。特にアメイジングのメリー・ジェーン(エマ・ストーン)を観たときはこの世にこんな可愛いヒロインがいるのかと感動した。
話が脱線してしまったが、どんなスパイダーマンも素敵であることに変わりはない。私がスパイダーマンの一番好きなところは、彼が「親愛なる隣人」であるところだ。スーパーパワーを持っていても、あくまでも彼は街で起こる警察沙汰程度の事件から市民を守ってくれる”隣人”。その背景には彼の生い立ちの悲劇があるわけだが、そういうところも含めて、このスモールスケールなスーパーヒーローが好きだ。そしてそこだけは、どんなにシリーズが変わり、話が壮大になっていっても、決して変わらない。

というわけで、皆様にはサム・ライミ版スパイダーマンシリーズをホームシリーズ最新作「スパイダーマン・ノー・ウェイ・ホーム」を観る前に、ぜひもう一度観返していってほしい。決して後悔はしないはずだ。NWHはスパイダーファンに向けた公式からの超特大のファンサービス。人生のどこかに「スパイダーマン」が巣食っている人は、軽〜い気持ちで劇場に観にいってほしい。