【映画制作】〜1day仕事体験4/7日目〜 映画の様々な仕事
さくらです!
これまで、インターンシップのまとめということで「プロデューサーについて」「映画制作の流れについて」「楽映舎について」ご紹介してきました。今日その第四弾として、”映画に関わる様々な仕事について”お伝えします。
映画にどのような部署や職種があり、どのようなことをしているか、簡単にご紹介します!
映画基礎講座 1day仕事体験
映画の様々な仕事について |
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部署紹介
キャスト
映画では当然、 観客はキャストしか見えません。他のスタッフは映像に入ることはありません。映画に「 映る」ということが決定的なポイントです。
キャストは、メインキャストだけでなく、脇役を含めて全てのキャストが、 物語のキャラクターを深く理解して役に入ります。
物語に合わせて上手に演じるだけでなく、その役に 観客が自分を投影し、映画の世界にのめり込めんでいけるような表現力が必要です。
また、撮影後には 役から抜けることもできなければいけません。役に入り込みすぎてしまい、精神のバランスに影響が出てしまう役者さんも少なくありません。 役を演じきる高い演技力と、観客を魅了する表現力、そして自分を見失わない強い精神力が必要です。
監督
物語に登場するキャラクターに命を吹き込むのが監督の仕事です。
映画全体の出来上がりを想像し、そのドラマを構築した上で物語の人物設計をし、キャストがそのキャラクターになりきれるように演出します。
また、観客の気持ちになって一つ一つの場面を客観視し、カット割りを考えます。
監督は、映画製作現場の全責任を担います。
すべてのキャスト、スタッフは監督の采配にかかっており、映画にとって最も大事な存在です。
原作
原作は、すべての映画に常に存在するわけではありません。
漫画や小説だけでなく、音楽や新聞記事など、様々なものが原作になります。
映画化には、原作者がその作品を通して伝えたいメッセージや想いといったテーマを汲み取ることが最も重要なことだと考えています。映画は原作のすべてをそのまま表現することはできません。原作に描かれるテーマを映画に関わるすべてのスタッフが理解して、それを120分前後にまとめるのです。
そのため、映画制作サイドにはまず原作者に納得して喜んでもらえる映画にしなければいけないという思いがあります。
脚本
脚本は映画の設計図となるものです。
小説とは異なり、映像の共通イメージを持てるように、抽象的な比喩表現や形容詞を用いた表現が少ないです。
場所や場面の設定を示す「柱」、そこに登場する人物やそこで行われる内容や動きについてを説明する「ト書き」、キャストが話す「セリフ」で構成されます。中でも最も重要なのは「セリフ」です。そのキャラクターについて様々に想像を巡らせながら書く、最も楽しい部分でもあります。
音楽
映画音楽には、劇伴とエンディングテーマがあります。
劇伴は劇中で観客の感情をフォローするという大事な役割を担っています。これによって、観客が映像から受け取る嬉しさ、悲しさ、盛り上がり、緊張感などの感情を煽っていきます。
エンディングテーマは、エンドクレジットとともにかかる曲です。その音楽を聴きながら、映画の余韻に浸れるように流れます。ぜひ、映画はこのエンディングテーマもしっかりラストまで聞いていっていただくことをお勧めします。
企画
映画を作るのにはまず企画が非常に大事です。
企画は、プロデューサーや監督などの強い想いや、人気、話題性のある作品から進められることが多いです。10本に1本、あるいは永久にボツなど、企画の成立は非常に狭き門です。しかし、一度はダメだった企画も、数年越しに成立するということもあります。
観客に伝えたいメッセージや想いを持ち続けなければ、企画はできません。
製作
映画プロデューサーのトップで、製作総指揮、エグゼクティブプロデューサーとも呼びます。
総予算の決定や、企画、制作、配給などのすべてのプロジェクトの総責任者です。
プロスポーツ界で言うとゼネラルマネジャー的なポジションだと思います。
プロデューサー
映画の企画・製作者を広くプロデューサーと呼びます。
映画の企画から配給まで、すべての工程に関わります。
ラインプロデューサー
撮影、制作現場を仕切る現場の総責任者です。
キャスティングプロデューサー
映画の登場人物をイメージし、物語のキャラクターをキャスティングするプロデューサーです。
撮影
撮影監督とも言い、監督が演出したキャラクター、美術が作った空間、照明の生み出す陰影を画に切り出すプロフェッショナル。
当然ながら、カメラが写したものしか観客は見ることができません。カメラマンは作品に対して非常に大きな役割を担っています。
照明
画面に映るキャストや現場で美術・装飾の作った空間に対し、光と影を使って立体感を与えるのが照明部の仕事です。
美術
美術監督とも言います。
脚本からキャストが演じる空間をイメージし、コンセプトアートやセットデザインなど、画に映るすべてに責任を持ちます。
装飾
美術の作ったセットや現場の装飾など、映画のイメージに合わせて絵づくりをします。
録音
撮影現場のあらゆる「音」特には「セリフ(ダイアログ)」を録音します。現場の環境音や足音や物音などを、様々なマイクを効果的に用いて録音し、”セリフ”が最も聞き取りやすい形に整音します。
音響効果
サウンドエフェクトとも呼ばれ、映画に対して効果的な音を作り、映画館における音の空間をデザインし、音を立体的に表現するプロフェッショナルです。
そのため、ダビングルームは映画館と同じスピーカーの配置になっています。
記録
撮影現場において、OK/NGテイク、画に映ったものの配置やタイミング、時間を記録するプロで、スクリプターや現場編集マンとも呼びます。
編集
撮影で集めた素材を編集して一本の物語にしていきます。アナログ時代はフイルムを扱うのが専門性を要する大変な作業だったのですが、デジタルが主流になってからは
、CGや合成、エフェクトなどデジタル処理でできることが増えたため、それらに対応できる能力が求められるようになりました。
衣裳
映画全体のイメージやキャラクターのイメージを衣裳で作り上げるスタイリスト。
ヘアメイク
衣裳同様、ヘアセットやメイクをすることでキャラクターーイメージを作り上げます。ヘアメイクの技術で様々な状況を演出することや、年齢を操作することもできます。
特機
クレーンやレールなどを用いてカメラを動かすことで、様々な映像効果を与えます。
そうした撮影に必要な特殊な機材らを扱うプロです。
特殊効果/操演
スモークや火、水などの視覚的な演出を扱うプロ。火薬を扱うことも多く、様々な免許が必要とされます。
CG/VFX
近年の映画ではCGを一切使わない映画はもうほとんどないと言えるほど、重要で面白い部署です。
CG/VFXパートは脚本の制作段階から監督と世界観のイメージを共有し、現場では撮影できない空間、キャラクター、エフェクトを作り出します。該当パートについては撮影にも付き添うことがあります。
目に見えないイメージをスタッフと共有するために、CG/VFXを用いるシーンは絵コンテを描くことが多いです。
宣伝
様々なスポンサーとのタイアップ企画や、SNSを使った撮影現場の制作宣伝、舞台挨拶などを行い、映画を幅広い人々に”宜しく伝える“部署。
こちらもご参照ください。
配給
映画を上映するために映画館と交渉することを配給と言います。多くの劇場で上映してもらうことが映画の収益につながるため、非常に重要なセクションです。
おわりに
今回ご紹介したのが映画に関わる全ての部署ではありません。また、全ての映画制作に全ての部署が必要とされるわけでもありません。
やりがいや求められる資質、能力は部署ごとに異なります。映画に携わりたい方にとって、職業選択の一参考になれれば幸いです。
「0/7 プログラム」
「1/7 プロデューサーについて」
「2/7 映画制作の流れについて」
「3/7 楽映舎について」
「4/7 映画の様々な仕事について」
「5/7 企画、脚本、予告について」
「6/7 制作現場について」
「7/7 映画の見方、映画祭について」