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「ヴェノム レット・ゼア・ビー・カーネイジ」~ヒーローアクション? いいえラブコメです~

サム・ライミ版「スパイダーマン」公開時から、アメコミ映画は毎回欠かさずに劇場で観に行っているヒルズです。
本日は昨日公開された映画「ヴェノム レット・ゼア・ビー・カーネイジ」のレビューをお届けします。

「ヴェノム レット・ゼア・ビー・カーネイジ」
日本公開日:2021/12/4
監督:アンディ・サーキス
キャスト:トム・ハーディ
ウディ・ハレルソン
ミシェル・ウィリアムズ
ナオミ・ハリス

アメリカ本国から公開が2か月遅れて、ようやく日本公開され待ちに待った「ヴェノム」の続編「ヴェノム レット・ゼア・ビー・カーネイジ」。
98分という、近年のアメコミ映画では珍しく短尺な上映時間に収めており、ジェットコースタームービーを楽しめる本作だった。

あらすじ

フリージャーナリストのエディ・ブロックは寄生体エイリアン「シンビオート」のヴェノムとの共同生活に順応するのに苦労する日々を送っていた。そんな時、獄中にいる連続殺人鬼クレタス・キャサディの記事を書くためエディは面会するのだが、キャサディに近づいた際に手を嚙まれてしまう。エディの血液を体内に取り込んだキャサディは、その血中に含まれていたシンビオートに順応したのか、禍々しい真っ赤な怪物、「カーネイジ」に変貌するのであった。

本作の見どころ ①スーパーヴィラン カーネイジ

原作ではスパイダーマンの好敵手(ライバル)として初登場した経緯があるヴェノム。
90年代のアメコミ業界を代表する「スポーン」の生みの親であるコミックライターのトッド・マクファーレン氏が生み出したキャラクターがヴェノムだ。(ちなみに、97年公開の「スポーン」をリブートした、新生スポーンがジェイソンブラム制作会社の元、ジェイミー・フォックス主演、ホークアイことジェレミー・レナー共演で実写映画化企画中だ)
今作、新たに登場するカーネイジはスパイダーマンだけでは倒せず、敵であったヴェノムと共闘、そして他のヒーローとの協力でようやく倒すことのできる最大の敵として描かれていた。
その後もキャプテンアメリカやウルヴァリン等のヒーローにカーネイジは寄生し、度々スパイダーマン達を苦しめる敵として、現在まで活躍するスーパーヴィランである。

物語の大半はエディとヴェノムのイチャイチャ漫才が占めているのだが、この関係性の「わかってる感」を出すのが監督のアンディ・サーキスの上手いところだ。このキャラクターの関係性は完全に恋人同士の「それ」なのだ。くだらないことで喧嘩して、仲直りする。この流れが微笑ましく愛おしさにラブコメな笑いが自然と出る。とにかく、恐ろしい風貌のヴェノムであるが可愛いの一言に尽きるのである。

今作のカーネイジの描かれ方として、原作ファンは少々不満点があるのは正直否めない。R指定ではない本作は、原作の残虐性を出すのは難しく致し方ないのかもしれないが、その問題を補う点として、カーネイジに変貌するキャサディを、ウディ・ハレルソンが演じている。オリバー・ストーン監督「ナチュラル・ボーン・キラーズ」で演じたサイコパス役が印象深く、危険な男を演じさせればこの人だと手を挙げる人は多いだろう。キャサディ演じるハレルソンが画面に映ると、こいつはヤバい奴だと風貌だけでキャラクターの説得力が増している。

本作の見どころ ②キャラクターの関係性

二人の関係性というのが、この映画のキーポイントとなっている。

エディとヴェノム
エディと元カノのアン
アンと今彼のダン
キャサディと恋人シュリーク
キャサディとカーネイジ

上記の関係性が物語に上手く絡み合い、シナジー効果が生まれているのだ。
エディとヴェノムの関係性が主だが、不安点だったヴェノムとカーネイジとの決着、これは「関係性」というキーポイントをこう絡め上手く使ったなと唸った。お互いの信頼というのがテーマとして描かれ、二人の関係性を強く意識した構成となっている。

おわりに

アンディ・サーキス監督、印象としてロード・オブ・ザ・リングのゴラム役のモーションアクターや俳優として活躍する人物だと認識していたが、監督業もこなせる多才さには驚かされる。90分ほどの見やすい尺で、映画ファンやアメコミファンにも満足する完成度をみせた本作。アメコミ映画として今後、「スパイダーマン ノー・ウェイ・ホーム」が公開控えている中、是非とも劇場で見て頂きたい。

最後に、エンドロール途中に挿入されるポストクレジットシーンがあるのだが、アメコミ映画史上もっとも度肝抜く展開が待ち受けてるので、映画が終わっても席を立たないように。